自動車を運転すると、当然交通事故に気を付けなければいけません。誰もが意識しているのは、スピードの出しすぎではないでしょうか。とはいえ、日本の田舎道は、見通しのよい一本道でも40km/hだったりと、守る方が難しい場所も多いですよね。
私は比較的交通ルールを遵守しているのですが、直線40キロ制限の道を制限速度通り走って、後ろの車に何度煽られ、パッシングされたか数知れず・・・。オレンジ線なのに追い抜きをかけてきて、グラサンTシャツのヤンキーに中指立てられたこともあります。おそろしい・・・。
それはさておき、ついうっかり、スピードを出しすぎてしまうことはあるものです。単なる「反則」の範囲なら、金融機関で納税し、点数を引かれるだけで済むのですが、「違反」で俗に言う赤切符(一発免停)をもらうと、そうもいきません。
今回、お金も盛大に吹っ飛ぶ交通違反をするとどうなるのかについて書いてみました。
ちょっと急いで走っていると、オービスから赤き光が発せられたよ~
異世界に飛ばされると思ったけど、
あれはいったい何なのかな?
異世界には飛ばされないだろうが、
お前は警察署と裁判所に行かないといけなくなったわけだ。
最悪、ブタ箱行きもありえるぞ
ええっ! ブタ箱行き! オワタ
で、でも、警察からは何もいってこないし、
大丈夫っしょ?
これから、お前の乗っていた自動車が特定される。
お前の顔もくっきりと写されているから、
もう逃げられないぞ
せめてもの手向けに、これからどうなるか教えてやる
交通違反と交通反則の違い
反則金取られるだけですまないかなぁ
投資で負けまくっているから、金もあんまりないんだけれど
フ、これだからゆとりは困る。
まず、今回お前が犯したのは「反則」ではなく「違反」だ
そこのところから詳しく教えてやる
普段の会話で「スピード違反」で捕まった、という話はよく聞きます。しかし、交通ルールの中では「違反」と「反則」という言葉は明確に使い分けられています。
いわゆる、軽微な交通ルールに背いた際に使われる言葉が「反則」です。この場合、減点と、違反金の支払いが科せられます。現行犯(その場で警察のお世話になった場合)だった場合、通称「青切符」と呼ばれる「交通反則告知書」という、青色縦長の紙が交付されます。また、同時に金融機関への納付書も渡されます。違反金は、違反した地域を管轄する警察署が所在する都道府県の金融機関で支払うことになります。
一方、重大な交通ルールに背いた際に使われる言葉が「違反」です。この場合は、通称「赤切符」と呼ばれる、「甲(直検)告知書」という、赤色縦長の紙がわたされます。この場合、当日、または後日警察署での取り調べや、裁判所での裁判に発展していきます。
普通自動車の場合の違反と反則とその科料は以下のとおりです。
点数 | 反則金・刑罰 | |||
超過スピード | 一般道 | 高速道路 | 一般道 | 高速道路 |
15キロ未満 | 1点 | 9,000円 | ||
15キロ以上 ~20キロ未満 |
1点 | 12,000円 | ||
20キロ以上 ~25キロ未満 |
2点 | 15,000円 | ||
25キロ以上 ~30キロ未満 |
3点 | 18,000円 | ||
30キロ以上 ~35キロ未満 |
6点(残念免停) 免停30日コース |
3点 | 6ヵ月以下のブタ箱行き、 又は100,000円以下の罰金 |
25,000円 |
35キロ以上 ~40キロ未満 |
3点 | 35,000円 | ||
40キロ以上 ~50キロ未満 |
6点(残念免停) 免停30日コース |
6ヵ月以下のブタ箱行き、 又は100,000円以下の罰金 |
||
50キロ以上 | 12点(残念免停) 驚愕の免停90日コース |
ブ、ブタ箱行き・・・オワッタ
あきらめろ
身から出た錆だ
オービスに撮られた後に起きること 警察への出頭
で、でもでも、オービスに撮られた後、2,3日たったけど、何もないよ。
経済指標発表後のように無風で終わるんじゃ・・・
ってぬあーポストに「通知書」ってのが入ってた~
どれどれ、
うん、ごていねいに行先の地図まで入っているな
出頭しろって書いてある。
かつ丼出るのかな
出るわけないだろ
決められた日時に行くんだぞ
でもでも、オービスにパシャられた時、
実際に何キロ出していたかもわからないし。
もしかすると「反則」だけで済むかも
それはないな
基本的にオービスは、一発免停にあたるような「違反」を取り締まっていると言われている
オイラの命運は尽きた。
オワタ
とはいっても、一般的に言われているだけだから、
もしかすると「反則」のスピードでもパシャられる可能性もあるだろう。
普段から安全運転を意識することだな
オービスなど、現行犯以外で捕まった場合は、後日運転していた自動車の名義人宛に、「通知書」が届きます。
この「通知書」には、捕まった現場を管轄している警察(高速道路の場合は高速道路交通警察隊など)から送られてきます。ここには、出頭日時、出頭場所、持参する物が記入されています。
出頭者は、名義人ではなく、実際に運転していた人です。
持参する物は、送られてきた通知書、運転免許証、自動車検査証、印鑑(シャチハタ不可)です。
明らかに一発免停だと分かっていた場合でも、施設に駐車場がある、もしくは近くに駐車できる場所がある場合は、自動車に乗っていっても構いません。あくまで今回の出頭は、事情を聴かれる取り調べですので、すぐに逮捕されたり、ブタ箱に入れられるわけではありません。当然、処分も後日になるため、この出頭日から免停期間がはじまるわけでもないからです。
出頭場所は、大体が警察署のような、普段手続きなどで一般の人がいくような場所ではなく、事務所のような、警察官が事務仕事をするような場所です。そのため、お客さん用の作りではありません。正直、とても緊張させられる空間です。
場所によるでしょうが、特に受付する窓口もなく、警察官があわただしく出入りしています。こうした場合、近くにいる警察官に、今日訪れた理由を話して、建物内の行先を聞くことになります。とてもみじめな思いをすることでしょう。
面倒くさそうに、それならどこどこへ行ってください、と言われますので、言われた通り進みます。事務仕事をしている部屋で再度、今日来た旨を説明すると、担当者が出てきます。
やはり場所によるのでしょうが、打ち合わせスペースのようなところに通されます(テレビドラマのような取調室ではありませんでした)。
テレビドラマの取調室はガラス越しに他人が聞いていますが、実際には、フロアの打ち合わせスペースですので、周りの人にも聞こえます。もっとも、全員警察官で、こんなことは日常的なことでしょうし、特に関心も示さず、黙々と仕事をしています。
ここではまず、免許証や車検証を確認されます。続いて、オービスに映っていた写真(モノクロ)を見せられ、「あなたで間違いないですね」と言われます。
犯人は「間違いありません」と罪を認めなければなりません。(よく聞くニュースの説明が思い出されます)
写真は、本当にくっきりと映っています。ピンボケやブレも一切ありません。普段カメラを使った仕事をしている手前、オービスの性能に驚愕します。おそらく、一眼レフを普段使い慣れている方は、みんなカメラの性能に関心することでしょう。
蛇足ですが、オービスは、ものすごい速さの車を瞬時に撮るため、シャッタースピードはかなり速く切っているでしょうし、これだけくっきりと写しているので、しぼりも相当しぼっているでしょう。そのため、あれだけの真っ赤な光を発している。納得です。
そんな関心も束の間、「オービスが光ったのは分かりましたか?」「どうして急いでいたんですか?」「二車線の道でしたが、どちらを走っていましたか?」などと聞かれます。
取り調べが終わると、これで終わりです。これから切符を発行します、などと言って退席します。続いて、切符を発行する担当者がやってきます。
ここで、「甲(直検)告知票」(通称赤切符)が目の前で記入されていきます。自分で記入することはなく、担当者が、生年月日、住所、電話番号、氏名を記入していきます。また勤務先とその住所、電話番号、職柄も聞かれます。
赤切符作成後に、免許の停止は、裁判所で審理を受けてからになる旨説明されます。要は、裁判を受けるまで、本当にやったかどうかも決められていない状態となっているわけです。
ここで、裁判所に行く日程(平日のみ)が決められます。有無を言わさず指定されることもあるようですが、3日ほど候補の日を提示され、選ぶようになっています。
裁判所の説明では、罪を認め、不服がないのであれば、正式な裁判ではなく略式起訴の形をとることも可能だと説明されます。略式起訴は、あらかじめ罪を全面的に認め、簡易裁判所で担当者に事情を話すことで、時間を短縮して罰金か懲役かが決められる制度です。一方で、「あなたには正式な裁判を受ける権利があります」とも説明されます。略式起訴ではなく、正式に起訴され、裁判で争うことになります。
この判断は、その場で決めずに、簡易裁判所に出頭するときまでに判断します。
この一連のやり取りを含め、基本的に会社員であっても公務員であっても、勤務先に通知されることはありません(国家公務員以上の上級国民は分かりません)。報告義務がある場合には、自分で告白しましょう。
勤務先に通知が行かないことだけが救いだね
まあ、正直者はバカを見る、
という格言もあるからな
裁判所への出頭
ようやく赤切符もらってきたよ。
疲れ果てたよ。
それはご苦労だったな
それでこれから裁判があるんだろ
そうなんだよ、約2か月後に簡易裁判所に行かないといけないんだって
まあ、ブタ箱に入れられないように、
誠意をもって臨むんだな
赤切符交付時に決められた日時に簡易裁判所へ出頭します。
この時には警察から発行された「甲(直検)告知票」(通称赤切符)を持参するほか、印鑑(シャチハタ不可)を持参します。罰金の場合その場で納付となるため、10万円は現金で持っていきましょう。
略式裁判で済ませる場合は、あらかじめ赤切符裏面の申述書欄に日付(簡易裁判所への出頭日とする)、氏名、押印しておきます。
簡易裁判所では、受付に、金融機関でよくあるような受付番号発券機がありますので(場所によると思います)、それを引いて待っています。同じように、赤切符を切られた人が大勢います。
中には、ひたすら、警察の捕まえ方が気に食わん、と叫んでいる老害がいました。(だったら、正式な裁判を受ければいいのに)
番号が呼ばれてから、面談室(?)に通されます。赤切符が回収され、略式手続きに同意していることを確認されたうえで、あらためて、正式に裁判を受ける権利があることを説明され、略式の手続きに同意するかを口頭で確認されます。
その後、スピードを出した理由について聞かれますので、警察で話したことと同様に答えます。一通り理由について話すと、これから罰金になるか、懲役刑になるかを判断し、決まったら伝えるので待つように、と言われます。
また、免停期間は30日間となること、この30日の免停期間は、あらためて通知され、その通知された書類に書かれた日からはじまること。免停開始日に運転免許試験場で講習を受け、テストを受けると、その点数によって最大29日の免停期間免除となること。運転免許試験場に行った日も当然免停期間に含まれるため、29日の免停期間免除が認められれば、その日だけ自動車を運転しなければ、免停期間は終了すること、が説明されます。やけにここの説明は詳しいです。そして、部屋から出されます。
しばらく待つと、窓口に呼ばれ、「主文」のところに、罰金額が記入されたものが返却されます。その時に納付書も渡されるので、簡易裁判所内の納付場所で納めます。
私の場合、罰金は6万円でした。ここでの支払額、どのように決めているのでしょうか。
罰金バッキンガムを納めてきたよ
それにしても、最大10万円といいながら、
どのように決めているのかな
初犯であるか、反省具合がどの程度か、といった話があるな
しかし、実際のところはよくわからない
とにかく、反省の気持ちを示すのがよいだろう。
本当に反省しろよ
面接した人の感性も交じるよね
杉浦綾乃ちゃんみたいな可愛い子なら、もう少し安くなるのかな
そもそも綾乃ちゃんはまだ中学生だ
運転免許試験場で講習と試験
30日免停になっちゃったよ。
まあ、コロナでどこも行かないし、いいんだけど
とは言っても、運転できないと何かと不便だろうな
簡易裁判所で、29日の免停免除の講習について教えてもらったんだろ
でも、受講費用が14,000円かかるんだ
29日免除で14,000円、いいとこついてくるね
働いている人や、
自動車を運転しないとどうしようもない人にはメリットはあるな
もう一度、運転技術を確認するためにも、
受けておいても損はないかもしれないぞ
略式起訴され、罰金を納付後数週間で、免停を開始する日を通知する書類が届きます。
ここには、運転免許試験場で講習を受けると、最大29日免除となる、通称「免停講習」の案内も同封されています。
免停講習は、免停が開始する日に合わせて実施されています。講習を受けた日は、免除の日にはカウントされないため、実質、30日免停の場合、講習を受けた日のみ運転しなければ、翌日から普段通り運転できることになります。
実際免停講習は朝から夕方まで実施されるため、だいたいこの講習で一日が終わります。
ただ、当然この講習場所へは運転していくことはできないので、十分に注意することです。
講習は、主に座学です。特に違反に関する話はあまりなく、普段の免許の書き換えの時と同じような話が繰り広げられます。
免許書き換え時と異なるのは、ゲーセンなどにあるようなシミュレーターを使って、実際の運転を体験するところです。横断歩道を歩行しようとしている歩行者に道を譲るなどの確認をします。正直、バーチャルの映像がしょぼすぎて、ただ横断歩道横に配置されているモブなのか、横断歩道を渡ろうとしていることを表現しようとしているのか分かりません。
シミュレーターは、スタートの際にハンドルを右にしたり左にしたりすることで、車種を選択することができます。軽自動車からバスやトラックまで。こんなところでバスやトラックを選ぶ人がいるとはあまり思えないのですが…
一日の講習の最後には、試験が待っています。
免許取得時に実施したような、〇か×かを回答するものです。
試験の結果で、29日免除、25日免除、20日免除となります。実際、予習しなくても、普段運転していれば当然の内容になりますし、時間も余裕があります。普通に受ければ、29日免除になるでしょう。免許取得時の試験よりも、レベルは落としてあると思います。
講習が終わると、免許の裏に、免停講習を受講した証明のスタンプ(負の烙印)押されます。これをもって、スピード違反による一発免停の流れが終わります(もちろん、講習受講日には、絶対に運転してはいけません)。
講習が無事終わって、試験場の中でやっていた献血をしたんだ
無事に済んで何よりだ。
そして献血とは、いい心がけだな
一緒に免停講習を受けていた子が免許取り立てと勘違いされたみたいで、
献血の職員のじーさんに、今日は運転するの? え、しない?
免許もらったんだったらたくさん運転しないとだめだよ~って、
話しかけられてたよ
その子はどんな気持ちだったんだろうな
あまり他人には深入りしてはいけないな
まとめ
・免停はすぐに開始されるわけではなく、簡易裁判で判断されてから
・免停の場合、講習と試験を受けて29日免除することができる
・違反すると、10万円以下の罰金か、最悪6ヵ月以下の懲役
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