日本から祭りがなくなる!? 神様よりもワクチン様

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日本には、多くの祭りが伝わっています。五穀豊穣や豊漁を願うお祭りがイメージされます。一方で、疫病を祓う祭りも多くあります。京都の祇園祭も、都市に入ってくる疫病を祓う目的で始まったとされています。

そんな疫病を祓う祭りも、昨年からのコロナ禍で、休止するところが増えてきました。疫病を祓う祭りをやめてしまったら、かえって悪いことが起こるのでは? と思うかもしれませんが、ここには現代人の価値観の変化も大きくかかわっています。

新型コロナの影響と、祭りの関係について書いてみました。

疫病を退散させる日本の祭り!

MUNO
MUNO

ゴホゴホ、もしかして風邪をひいたんじゃないかな

吾郎
吾郎

おい、まさか新型コロナじゃないだろうな

MUNO
MUNO

ちがうと思うよ。最近の深夜アニメが面白すぎて、

酒を飲みながら腹出してネオチしたからだよ

吾郎
吾郎

いずれにしても近寄るな。

風邪とバカが同時にうつる。

病院には行ったのか?

MUNO
MUNO

病院になんていかないよ。

オイラには霊験あらたかな疫病退散のお守りがあるんだから

吾郎
吾郎

確かに、神や仏が風邪を治してくれる可能性もある。

しかし、現代の科学技術の方が費用対効果でも優れている

MUNO
MUNO

神や仏を冒涜する気か!!

吾郎
吾郎

まあ、そうムキになるな。

神や仏よりも科学技術が有効であることを教えてやる

日本では古くから、流行り病は疫病を持った悪い神様がやってくるためにおこるものと考えられていました。

そのため、都市を中心とした祭りは、巨大な山車を出す祭りを催すようになりました。これが、2016年にユネスコ世界無形文化遺産に登録された「山鉾屋台行事」です。

大きな屋台で囃すことは、悪霊を楽しませ、悪霊は屋台によってきます。そして、都市の中の悪霊を集めきったのち、この屋台などを素早く解体したり、場合によっては燃やしてしまったりして、悪霊を追い払ってしまうのです。この屋台は、人形であることも多く、やはり悪霊を依り憑かせているようです。

京都府京都市 京都祇園祭の巨大な山
福井県坂井市 三国祭の人形屋台

特に、巨大な山車や屋台の中には「傘鉾」とよばれる、天に高くそびえる傘が立つことが多くあります。そして、これが必ず先頭を行く、という地域も多くあります。「傘鉾」は特に疫病の神様を依り憑かせる装置として考えられていました。

現代では屋台を解体するのが手間になってきていて、解体せずに保存している地域も多くありますが、もともとは完全に解体してしまわなければならないものでした。

MUNO
MUNO

なんと、祭りは悪霊ホイホイだったのか!

吾郎
吾郎

そうだ。賑やかで楽しそうにしておびき出すとは、

よく考えたものだな。

重要な傘鉾

MUNO
MUNO

悪霊や疫病神がやってきたら、

祭りをやっている人たちも危なそうだよね

吾郎
吾郎

お前にしてはいい発想だな

こうしたこともよく考えられている

傘鉾は、特に疫病神が依り憑きやすいものとされているため、これを持つ役は、その地域で差別をされていた人々であった地域が多くあります。また、こうした被差別地域が近くになかったところ。また、被差別という概念がなかった地域では、隣村の人に高額な金品を出して頼んで担ってもらうことになっていました。

福井県小浜市 小浜放生祭での傘鉾

自分たちの集落の人がこの役を担うと、傘鉾を持った人に疫病神が憑いてしまい、集落に病気が蔓延してしまう可能性があると考えたからでした。

福井県小浜市 小浜放生祭での棒のたたき合い

こうした傘鉾のほかにも、悪霊や疫病が近づかないように、この世ならざる恰好をした人が、大太鼓をたたいたり、棒をたたきあったりする場合があります。大きな音を出したり、勢いよく棒をぶっつけあうことで、あくりょうや疫病神を威圧し、打ち殺しているとされています。

とにかく、こうした祭りを実施する際は、祭りを担う側に、疫病神が取り憑いてしまう可能性があるので、これを防ぐために様々な工夫が行われているのです。

MUNO
MUNO

それにしても、集落の外の人にお願いするとは

いつの時代も人間は勝手なんだね

吾郎
吾郎

いつの世も犠牲はつきものなんだな

祭りよりもワクチンの方が楽だし安い!?

MUNO
MUNO

疫病神を退散させるのはわかったけど、

やっぱりお祭りは見ていて楽しいよね

吾郎
吾郎

そうだな。

ただし、そんなお祭りを実施するために、

地域の人たちは莫大なお金の捻出や積み立てをしている

図は少し前のニューヨークタイムスの調べを参考にしたワクチンの有効率です。お祭りを実施することで、悪霊や疫病神の退散にも、もしかするとある程度の効果はあるのかもしれません。

しかし、ワクチンのように、90%以上の有効性があるでしょうか?

それにも増して、祭りを実施する人、観光客などが密になり、

感染のリスクが高まってしまうことの方が懸念されます。

それに、お祭りを実施するためには、莫大なお金がかかります。

もちろん、お祭りを実施するほかにも、大掛かりな装置の維持管理、修理代も莫大なものです。

現代科学の力で解決できるようになった事象。そして、科学の力を使った方が安上がり、となると、

やはり「祭りよりも科学」と考え方が変わってしまうのもうなずけます。

このような現代の価値観で、祭りはどのような形で残っていくのでしょうか。

MUNO
MUNO

価値観の変化か。せつないね。

でも、祭りがなくなるのは寂しいよね。

吾郎
吾郎

そうだな。もちろん、地域の人たちにとって祭りは楽しみでもある。

お金をかけてでも、ひと時の楽しみを残していくことも大切なのかもしれないな

まとめ

・都市の大掛かりな装置を使う祭りの中には疫病神を退散させることを目的としたものがある
・傘鉾など、特に疫病神をホイホイする装置があり、これを持つのは集落外の人
・祭りよりも現代科学の方が費用対効果では上
・祭りも地域の人たちが楽しむものとして大切なもの
 

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