思いがけず相場が逆方向に進んでしまうことはないでしょうか。
損切は早い方がよい、とは知っていながらも、
ずっと保有してしまうことは誰しもあるものです。
反対に、損切してすぐにドテン(反対方向に売買すること)しても、
結局相場も逆転する、ということもあります。
今回、ドカンと吹っ飛ばす時はどういう時なのかについて書いてみました。
正常性バイアスに打ち勝つ
人間には「正常性バイアス」という心理状況があります。
東日本大震災の津波などの検証でこの心理状況についてはよく語られますので、ご存じの方も多いと思います。
正常性バイアスは、危機的状況でも、「自分は大丈夫だ。たいしたことない」と思ってしまう状況です。
これは、ある程度の不幸な事態が発生しても、いちいち反応せずに、心の崩壊を防ぐ役割を持っています。人間のような、様々なことを判断しないといけない、高度な脳機能を持った動物に備わっている機能です。
ただ、危機的状況を過少評価してしまうあまり、本当に危機が差し迫っているときに、かえって「大丈夫」だと思ってしまうことは悪いことです。
今自分が置かれた状況を、静観していいのか、それとも、これは正常性バイアスによるものだと認識し、適切に判断するか、投資は常にこうした自分の心との葛藤によって勝敗が分かれるものです。
このあたりが、投資が「マネーゲーム」ともいわれる所以でもあるでしょう。
ぎゃー、ポジションもった途端に逆方向にいった~
でも、なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ
さくら嬢の決め台詞はやめろ
投資の世界にはケロちゃんもクロウカードも存在しなければ
大富豪の知世嬢も存在しない
損切は早い方がよい?
投資では、自分の予想とは逆に進むこともしばしばです。
そんな時、勇気をもって損切できるかで勝敗が大きく変わってきます。
とはいっても、自分がポジションを持った部分まで戻ったら約定、
などと思っていると、一方的に含み損が膨らんでいきます。
損切のメリット
損切することの最大のメリットは、証拠金や余力を回収して、また新たに儲かるものへ投資できるところにあります。
早く損切りすればするほど、後で損分を埋めて、利益を伸ばせるチャンスも大きくなります。
損切のデメリット
損切したとたんに反転して、結局損切せずに持っておけば利益が出た、ということも起こりえます。
ポジションを持つと手数料やスプレッドが取られますので、すぐに逆方向で入り直すことも難しくなります。
こうした場合、心に大きなダメージを負うことになります。
難しい損切
損切しないことのメリットもあります。それはひとえに、「損をしない」ということです。
約定しなければ損とはなりません。
FXの場合、スワップポイントが入る場合は、耐え忍んで、
ようやくポジションを持ったところまで戻ってきたならば、
スワップポイントをもらうことができます。
ただ、株の信用取引や、FXでスワップを支払う側でポジションを持っている場合は、
一方的にお金が取られていくことになります。
とは言っても、自ら損を確定させるボタンを押すのは勇気が要るよね。
大統領が核のボタンを押す時もこんな心境なのかな
お前と大統領を同じにするな。
しかし、損は小さくしていくことは大切だ。
ドテンとは
ドテンとは、持っているポジションを約定し、すぐさま逆方向にポジションを持つことです。
自分の意志とは逆方向に行った。このまま逆方向に突き進んでいく、
というときに、損切して新たに逆報告にポジションを持つことで、
損切分を回収。
そして利益も上げることができます。
ただ、市場が実はレンジ相場であって、波のような形をしていた場合、
ドテンをしたタイミングで相場がまた逆転。
二重のダメージを食らってしまうこともあります。
ドテンのメリット
上記のとおり、ドテンすることによって、損切分を取り戻せるだけでなく、
さらに利益を伸ばすこともできます。
ドテンのデメリット
相場がどちらに行くかわからないときには、かえって戻ってきて、
ドテンせずに保有していた方がかえって儲かった、という場合もあります。
ドテンをする場合は、確実にブレイクアウトすることが分かった時が有効でしょう。
いつも逆方向にいくんだ。
損切してドテンしたとたんに相場も反転。
そしてまた損切してドテンしたとたんに相場も反転。
一体どうすればいいんだ
よく考えて入れた方向に相場が進まなかった時点でお前の負けなんだ。
そんな日は正常な判断ができない。
ドテンはどちらかというと、運に近いな
両建とは
両建は、買いポジションと売りポジションを同時に持つことです。
どちらに動こうが、利益も出なければ損もしないというものです。
ではどうやって利益を出すのかというと、
利益の出ている方が反転しそうな時、または完全に反転した時に決済し、
ある程度動いてからもう一方を決済する、という方法で差分を取っていきます。
両建のメリット
利益が出ないかわりに損もしない、ということが最大のメリットです。
ただ、どちらかというと、利益を出すための手段とするよりも、
むしろ一方的に損する方向に向かって進んで、
強制ロスカットされることを防ぐために両建してしのぐ、という方法が主になります。
強制ロスカットは損が一定以上広がった時に実行されます。
両建すると、そのタイミングから利益も損も発生しないため、ロスカットを防ぐことができます。
片側にポジションをもっている最中に、どうもそのポジションにとって悪いニュースが出そうだ。
という時に、一時的に両建てしてしのぐような方法があります。
両建のデメリット
両建しておいて、片方を決済したあとに、結局反転してくれなかった場合、
結局損が広がることになります。
また、売り買い両方にポジションを持つので、
お金をたくさん投入しなければなりません。
余力がなくなり、ほかに儲けられるチャンスがあったとしても、
逃してしまうことにもつながります。
ほかにも、株やFXは、ポジションを持つと金利やスワップが発生します。
これは、多くがもらえるよりも支払う方が金額が大きく設定されています。
そのため、両建したとしても、金利やスワップの支払いで、
結局損が広がっていくことになります。
売りでも負け。買いでも負け。両建したとたんに相場が動かなくなって、
金利が取られていくよ
やはりコツコツと予想して儲けていくしかないだろうな
両建てはあくまでおかしなニュースで一時的に相場が壊れるときの予防として使うしかないだろうな
最終的にやってくるコツコツドカン
以上で紹介したドテンや両建の戦法を駆使しても、結局、損が広がることが多くあります。
私の経験上、ドテンや両建はほとんど成功したことがありません。
結局は、どちらに動くのかを冷静に見極め、損切を早く実施してやっていくしかありません。
ただ、損切をすると、やはり損分を早く取り戻したいという心理状況が発生します。
ここで熱くなってあっちこっちとポジションを持ってしまうと、ロクなことになりません。
いつでも冷静さを欠かずに取引することこそ、
利益を出す最大のポイントと言えるでしょう。
損を取り戻そうとして実施した典型的な負けパターンが上の画像です。
短時間に複数の取引を行なって、損を拡げています。
さらに、レバレッジも高くなってしまっています。
投資での勝ち負けは、買いか、売りかの2分の1の確率と思われがちですが、
むしろ運の要素は皆無で、
冷静さを欠いた人間から退場するということを肝に銘じなければなりません。
ぎゃー、損を埋めるためにポジションもったら、ことごとくやられるよ~
これは誰かに監視されているに決まってるぅ~
何かの陰謀だぁ~
お前の少額投資なんて監視したって費用対効果からして意味がないだろ
結局お前がヘタクソなだけだ
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